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第14話

(出て行って欲しくない…) みずきの心はよく分かっているけど…。 すべてを話せないオレが、必死なみずきを相手に言いくるめて出ていけるか…それはかなり難しい気がする。 (やっぱり…黙って出ていくしか…) 何も伝えないのは卑怯だけど… タツたちがやってくる、この家には居たくない… あんな撮影を週1で受けていたら、それこそ、身体が持たないから… 「今日…行こうか…」 でも、出て行って…どこへ行こう。 タツたちに見つからない場所… 「……」 しかも、出ていくには…学校の制服や必要なものが、この家に多々あるから、一度には持って出れない。 体調だって回復できてない… 「はぁ…また後で考えよう」 とりあえず、考えるのを止めてみずきの待つ部屋へ戻るアキラ。 「アキラ、何を飲む?」 アキラを心配しつつ、あまりしつこいと怒られるので普通に話し掛けるみずき。 「いいよ、自分でするから…」 みずきの言葉を流して、アキラはソファにまず座り、携帯を手にする。 「アキラ…?」 近づくみずきに… 「静かにしてな、学校にかけるから…」 「あぁ、」 やはり休むつもりらしいアキラ。 「お早うございます、3-Aの楠木です、体調がすぐれないので、今週は欠席します。よろしくお願いします」 淡々とした口調で学校に連絡を入れる。 電話を終えたのを確認して… 「今週?…そんなに具合わるいのか?」 ソファに座りアキラの額に手をあてるみずき。 確かにいつもより身体が熱い… 「ううん、別に学校、あと少しで習うことも殆どないから、休んだだけ…」 アキラはそう言うが… 「熱、やはり高いぞ…測るか?」 もう一度だけ聞いてみるが… 「いいって、みずきコーヒーでいいよな?」 アキラはやはり、うるさげに言い話をかえる。 (熱は火傷からくるものだと思うし…) アキラはみずきの傍を離れ、珈琲をいれてきて渡す。 「はい」 「あぁ、有難う…アキラ、朝食は?サラダあるが…食べるか?」

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