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第15話

本当に熱はあるのだが、これ以上、追求するのは無理と判断して朝ご飯をすすめる。 「ん…じゃ、サラダだけもらうよ、パンいらないから…」 本当は食べ物は欲しくなかったが、何か口にしないと余計心配しそうなのでそう言う。 「えっ…パン食べないのか?」 「みずきは食えよ、オレ、食欲ないから…」 「わかった…」 肩を落とすみずき。 こういう反応の時は、一度いらないといったらいくら言っても食べてくれないアキラだから…。 そう答えてアキラの隣に座るみずき。 朝食の時間を一緒に過ごしたのち、借りていたDVDをのんびり見ているアキラとみずき。 今日はあまり話してくれないアキラ。 笑顔も少ない気がする。 調子が悪いからか…? 「…アキラ、何か悩んでいることがあるなら…何でも話してくれ、力になるから…」 身体の心配も含めてみずきはそっと抱き寄せアキラに囁く… 「…アリガト、でも平気、少し頭、痛いだけだから…」 アキラはいつも通り優しいみずきに寄り添い、そう答える。 (…言えない…) 頭では話して出ていかないと…そう思うけど、みずきの優しさに触れると…悲しませる事は言えなくなってる。 居心地が良すぎて… いつのまにか離れたくなくなってる。 (甘えてるよな…ホント、ズルい甘え方…) そう思わずにはいられない… うつむき加減に目を閉じみずきに寄りかかる。 「アキラ」 その様子をみつめながら囁くみずき。 「みずき…」 アキラは瞳を閉じたまま問うように名前を呼ぶ。 「ん?」 「もう一回、聞いてもいい?」 すっと瞳を開いて、みずきと瞳を重ねながら言う。 「何を?」 近くでその綺麗な瞳に見つめられると、胸がドキッと高鳴ってしまうみずきだが、平静を装い聞いてみる。 「……お前は、オレの…どこが、いいんだ?」 やや迷うように聞く。 「えっ、アキラ…」

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