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第18話

本当の目的は外食じゃない、外へ出て疲れて帰ったオレなら、みずきは気遣って無理にSEXできない筈、断りたくないから、誘われないように仕組む… 直接断るよりは…いいと思って…。 もし、みずきがエッチを求めてきても…理由があるから断りやすい。 そんな事を考えているアキラ。 みずきはそんな思いに気付くはずもなく、さらに言葉をかける。 「何を食べたいんだ?」 「そうだな…駅前のイタリアンレストランのパスタがいいな」 「駅前?…今から行くか?」 駅前までは少し距離がある。 歩いて行ける場所ではないので、帰って来たばかりのみずきだが、あまり遅くならないようにと思って聞くが… 「ううん、まだいい、みずきも少し休めよ」 アキラは笑顔で答える。 「あぁ…どうする?タクシーで行くのか?」 みずきはアキラの肩に触れ抱き寄せながら、急な予定でもアキラの望みならすっかり行く気で話し掛ける。 「…ウン、でも…みずき、仕事終わったばかりだし…無理について来なくても、オレ、一人で行ってくるけどな…」 みずきは…自分のわがままを当たり前のように聞いてくれる。 でも、それはみずきの自由を束縛していること… みずきの優しさが…ふっと恐くなる… みずきが抑えてる心、その心が…いつかは疲れて、変わってしまうかもしれない… わがままやきまぐれは…相手の気持ちをはかるための手段でもあるから… この人は、いつまで… 自分勝手なわがままを許してくれるんだろう…? 一瞬だが…そんなことが胸によぎり、呟くようにみずきにいう。 「な、いや、ついていく。夜に駅前なんかを一人で歩かせられるわけないだろう…アキラ」 みずきは驚いて慌てて言い聞かせる。 「心配性、過保護…」 微笑み、言い返しながら、心の中で違うことを思うアキラ。 (なんで…そんなことを、思ったんだ…オレ) みずきが自分から離れて欲しくない… 確かに…そういう感情だった…。 「あぁ、でも…アキラの事を愛しているから過保護にも、心配にもなるんだ…」 うつむくアキラの横髪を撫でて、そう囁く…。 「……」 (愛してる…か、) 無言でみずきを見つめ返す。 「それに、仕事が休みで、せっかく一緒に居られるんだから…俺は、アキラと居たい」 そう…真っ直ぐに伝えてくる。 みずきの意志… 心が揺らぎそうになる…

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