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第20話

でも…これが長く続いたら、みずきだってツライ筈… みずきに、ずっと、こんなわがまま押し付け通せないのは、分かっているけど… タツたちの事を話す訳にはいかないから… かといって出ていくのも、みずきの想いも… それ以前に行く場所がない。 セキュリティも破って撮影に及ぶような奴らだ…生半可な場所では、タツたちにすぐ見つかってしまう。 オレは…一人で暮らすには、無防備すぎるから…。 「アキラ、大丈夫か?先に戻っていても良かったんだが…」 夕暮れ時、制服姿のアキラの横を歩きながら…首を傾げ言うみずき。 「平気、ちょっと暇だったから、たまには仕事してるみずきを見たくなってな」 微笑み気まぐれを装い言うアキラ。 「…アキラ」 アキラは今日、学校を午前で終え、その足でみずきの職場、コンビニまでやってきたのだ… 滅多にないことで驚いたみずきだが、追い返せるわけはなく、アキラの自由にさせてみた… アキラはみずきの終業時間までコンビニや周辺の本屋で時間を潰していたのだ。 (理由は…あの部屋でひとりになりたくなかったから…) みずきが仕事から帰ってくるまでの数時間でも… タツたちが来るかもしれない日に一人で待つのは、恐いから…。 そんな事を思いながら歩くアキラは、やや…うつむき加減で、無言になっていた…。 心ここに在らずのようなアキラの様子をみて、気遣うように… すっとみずきはアキラの手をとり、指を絡め握る。 「みずき…?」 顔を上げたアキラに… 「…嫌だったら放すから…」 そんなふうに聞いてしまうみずき。 「…嫌じゃない、」 緩く頭を振って、微笑み、みずきの手を軽く握り返すアキラ。 「……」 その答えに、みずきも微笑む…。 優しい空気… 「……」 しばらく無言で歩く2人…。 手袋ごしでも伝わるみずきの、熱い鼓動…。 言葉では言えないみずきだけど… ドキドキして…、オレを求めてる指先…。 付き合ってて…当たり前のコトさえ、させてあげれないから…。 みずきはきっと、一度断ったから…オレがいいってサイン出すまで誘えないんだよな…。 損な性格…おまえは、馬鹿だから。 でも、それを利用してるオレは…もっと最低…。

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