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第21話

「な、みずき…今日、夜も仕事だよな、ついて行っていい?」 重い思考を止めるように…みずきに話しかける。 「えっ!?夜は…駄目だ、夜間は危ないし…帰りは夜11時を過ぎるから、余計、体調が悪くなる…家で待っていてくれ…」 驚くみずき…思いつきな様子のアキラ。 真剣に言うみずき。 昼は自分の仕事が終わるまで、暇つぶしに一人で外出させられたけど、夜間は、さすがにそうはいかない… 疲れさせたくない思いもあって、家に居てほしいと頼むような口調で言う。 「オレ、大丈夫だけどな…」 視線をナナメにそらし答えるアキラ。 「…アキラ、オレが心配だから、いつも通り家に居て欲しい…頼む」 家にいる方が危険であることを知らないみずきは…そう、はっきり真剣に願う。 「……分かったよ、心配性みずき」 そんなみずきを見ると、食い下がってまでついて行こうとは思えないアキラ。 みずきの額を軽く小突いて話しをごまかす…。 いつも通り家に着き、一緒に食事を済ませる。 夜間の仕事までの時間を一緒に過ごす。 その間も、タツたちの撮影の恐怖が頭から離れないアキラ… いつ、やってくる気だろう… たぶん、またみずきが仕事に行った後の筈…。 精神的にも緊張し通しのアキラ。 隠しているつもりだったが、みずきにもそれが伝わったのか… 「アキラ…少し休んだ方がいい、やはり疲れた顔をしているから…」 アキラの額に触れ、そうさとす… 「そっか…?」 首を傾げてみせる。 「あぁ、奥で休んでいいから…な、」 本気で心配しているのだろうみずきは、優しく促す… 「……じゃ、少しだけな…」 みずきに支えられ立ち上がり、寝室のベッドへ移動するアキラ。 「なにか飲む物がいるなら持ってくるから…」 アキラを横にさせ、布団をかけてそう囁く… 「いいよ…それより、仕事までまだ少し時間あるよな…みずき、傍に寝てて…」 頬笑み…素直に頼むアキラ。 「…あぁ、」 いつものアキラではない雰囲気に、心の中で首を傾げながらも、そんなお願いをされたら…嬉しくてすぐ返事をするみずき… そっと、アキラの横… 布団の中へ入る。 「アキラ…」 優しく髪を撫でて、近距離からアキラを見て…高鳴る気持ちをおさえつつ… アキラに布団をかけ直すみずき。

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