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《困惑の夜》

徒歩でアキラがまず向かったのは近くの本屋… ここで閉店まで時間をつぶす、小さい本屋 だったので九時には閉店…。 仕方なくその近くのコンビニで残り二時間、雑誌など立ち読みして過ごす… 長時間立ち続けてさすがにアキラも疲れてきて… コンビニの前の座れそうな場所を見つけ少しだけ身体を休めて帰ろうと腰掛ける…。 すると… 「なぁなぁ、今暇?」 通りがかりの若い青年2人が、軽くアキラに声をかけてくる。 「……」 アキラは当然無視するが… 「なぁ、暇なんだろ?」 「こんなトコで座ってないで俺たちとカラオケいかねぇ?」 2人組は諦めずに誘ってくる。 「…煩い、」 アキラはボソっとウザそうに呟いて立ち上がり、ナンパ野郎たちを無視して帰ろうとする。 「お、待てよ、カラオケ代奢るぜ?」 「名前何て言うんだ?」 さらにアキラを追いかけ、しつこく付き纏ってくる。 「付き合う気はない…お前等、オレが男だって分かって誘ってるのか?」 あまりにしつこい奴らに苛々して言葉を返すアキラ。 「はぁ?」 「冗談…断るにしても、もっとマシな嘘つきなよ」 アキラの言い分など笑って流す2人組。 「なぁ、何歳?名前は?俺サトル16」 「俺はシゲト、お前、目の色変わってるなぁ、緑色?ハーフ?」 「髪は何色だろーな?」 アキラは帽子の中に長い髪を隠しているため…想像で勝手に盛り上がっている2人。 もはや完全無視のアキラ… しかし2人は… 「確かめさせてー」 アキラが被っている帽子を勝手に取ってくる。 「ちょッ、何してんだよ返せッ」 バッと振り向いて怒るアキラだが… 帽子を取られたせいで、隠していた淡い栗色の髪がパラっとあらわになる… 「おー、」 「ヒュー、どこがオトコだって…こんな美人がさ~」 「すっげーよな、今日ラッキー」 「ハーフ興味あったんだよな」 2人はすっかりアキラをターゲットに決めつけたようでさらに逃さないように腕を掴んで誘いかけてくる。

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