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第33話

発作時には、注射という方法もあるけれど… みずきにそれは教えていないし…器具も持ち合わせていない… もう少し麻痺が弱くなるのを待つしかない… 「アキラ、大丈夫か?なぜこんな…」 アキラは…いつも通り、家で待っているとばかり思っていたみずき… 信じられなくて聞きたい気持ちで一杯になるが… 「ッケホッ…ぅ、ごめ…みず、き…、」 みずきに心配をかけている自分が嫌で、途切れ途切れに謝る。 「アキラ!?」 「ッ…ク、痛、ごめ…」 痛みに耐える為、顔は伏せている… 「謝ってばかりじゃわからないよ…、でも、今はいい、体調を立て直す方が先だ…」 苦しそうなアキラをみると、聞きたい気持ち以前に、アキラの体調を回復させるのが先と思うみずき。 「…帰ろう」 このまま寒い屋外にいては、確実に風邪をひかせてしまう… なぜだか分からないが、アキラは頭を水で濡らしているのだから… 帰って身体を温めなくては… まだ発作の続くアキラを再び抱きかかえ… 自宅へと走って帰るみずき… さいわい家までは数分で帰れる距離だったので、すぐに到着する。 アパートの鍵をあける為、一旦アキラを降ろし壁に寄り掛からせる。 アキラはちょうど、麻痺が弱まって… 発作自体を抑える為に薬を飲む… 「……アキラ、家についたから…」 明かりの中、改めてアキラを見てショックを受けるみずき。 アキラの上半身に身につけている服は、明らかに他者の手によって裂かれていたから… しかし、アキラには平静を装い言葉をかける。 「……」 辛そうなアキラを… 今、問い詰める訳にはいかないから… 不審な点すべて後回しにしてアキラを優しく労る。 抱き上げようと手をさしのべると… アキラは自分で起き上がろうと動く… 「アキラ、無理しない方がいい…大丈夫だから…な、」 俺に任せろ…と、みずきはアキラに囁く…

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