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第40話

早く出て行かないと… 今度こそ、これ以上ここにいるのは無理…。 昨日はタツたちから逃げたけど… 今日、また撮影に来ないという保障はないから… 奴らのいう撮影は…あと、三回残っている。 強姦撮影は本当に嫌だけど…このままここにいると、みずきを巻き込んでしまう恐れがあるから…。 別の場所へ… もし、タツに見つかってレイプされても、みずきに知られることはない… だから今日… みずきが仕事に出掛けたら…ここを出よう。 何も言わずに出て行ったら…みずきはまた探し回るかもしれないから、帰った頃に電話して…簡単な嘘をつく… みずきを安心させる…。 アキラは薄れる意識の中… みずきの傍でそんなことを考えて…眠りにつく…。 短く苦しそうな息遣いで眠るアキラ… 額に浮かぶ汗を時折拭きながら…看病を続けるみずき。 アキラの息遣いだけの…静かな時が過ぎる。 ようやくみずきも落ち着いて昨日のことを思いだす。 昨日は混乱し焦ってバタバタしていたから…不信な点をいくつも見落としている。 夜間、外出していたアキラ… 強姦されかかって、公園で発作を… もし自分が見つけられなかったら…と、ぞっとするみずきだが… 不信な点はそれだけではなく、帰宅時、部屋の様子が明らかにおかしかった… 何者かが侵入した形跡… 何も盗まれていないから泥棒などではない… しかも、寝室にあったタバコの吸い殻の数… 侵入者はそうとう長居していった筈だ。 みずきは心を落ち着かせて考えていく…。 なぜ…? 侵入者は何の為に長居を? 俺の居ない時間に… アキラが一人の時間に… そこまで考えてハッとするみずき…。 侵入者はなぜ用もないのに、この部屋に留まる必要があった?

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