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第41話
それは、居る筈の人物が居なかったから、ここで帰るのを待っていたのではないか?
…アキラが、いないから。
考えていくうちに嫌な感覚が身体をかける。
無意識に拳をつくって手を震わせる…。
まさか…!?
でも、違うのなら…アキラは、その時間だけ家をあけることなんかしなくていいはず。
アキラが、そいつらから逃げるつもりで外出したのなら…
そうなら…。
目を閉じてつらい息をして眠るアキラを、唇を噛んでみつめるみずき。
また、知らない間に…アキラは…
確か、一週間ほど前だった筈だ…
帰った時、アキラの様子がいつもと違っていたのは…
あの日、昨日のように…
そう考えると、つじつまが合う…。
それが酷く悲しく悔しい気持ちに陥るみずき…
どうして…俺に言ってくれないんだろう…
そんなに俺は頼れないか?
アキラ…、お前の為なら、なんだってできる。
傍に…、一緒に、ついていて、守ってやるのに…。
伝えたいこと…
アキラに触れながら…
強く思うみずき。
…昼過ぎ。
みずきは簡単にカップ麺で昼食をすまそうとしていた。
そこへ…
「…みずき?」
ポソッと寝室から呼ぶ声…
「あぁ、居るよ」
みずきは直ぐ答えて、食事を中断しアキラの元へ行く…
「…ふ、今、何時?」
みずきの姿を確認し、安心して息をつき聞くアキラ。
「…13時40分だ」
ベッドサイドへ腰をおろしながら…優しく答えるみずき。
「…そっか、」
「…もう一度、熱測ってみよう」
みずきは体温計をアキラに渡す。
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