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第42話

「ウン…」 自分でわきに挟みながら頷くアキラ。 しばらくして熱が測れる。 「…38、5分か、昨日よりは下がったけど…まだ、高いな…」 「…何してた?」 さっきよりは、呼吸も楽になっているアキラ… ややかすれた声で聞く… 「あぁ、昼飯…食ってて、アキラも食べれるようなら…水分だけでもとらないと…」 様子を伺うようにすすめる。 「ウン…食べるよ、…今度は食べれると思う」 笑みをうかべみずきを安心させようとするアキラ。 「そうか、待ってろよ」 みずきはアキラが食べる気になってくれたので、嬉しい気持ちを抑えながら、急いで取りに行く… 温め直した粥を少し持ってくるみずき… 戻るとアキラはベッドサイドへ起きて座っていた。 「はい…、どうだ?食べれそうか?」 アキラにうつわを渡し隣へ座るみずき… 心配しつつ聞く… 「ウン…少しなら…。みずきもメシ食ってていいから、オレ一人でも食えるし…」 アキラはそう言うが… 「いや…アキラが食べているトコを見ていたいから…」 軽く首を振り微笑むみずき… 「ふっ、ヘンな奴…」 いつものように笑う。 そしてスプーンに粥を少しすくい口へ運ぶ… 「早く…元気になってほしいからな…アキラ」 ちゃんと食べれたのを確認して言葉をかける。 「ふっ…そーだな…」 少しずつ口へ運ぶ… その動きをみずきは目で追いながら… 昨日のことをアキラに言い出せないでいるみずき。 どう切り出せばいいのかわからない… 先刻考えたこと… 本当にあたっているのか確信はない… しかし、他に考えられないから… 「…みずき?」 なんだか急に黙って難しい顔をしているみずきに気付いて、どうした?というカオで呼ぶ。

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