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第43話

「ん、…フッ、くちについてる…」 呼ばれて微笑み、アキラのキレイな顔を見つめなおし… アキラの唇についた一粒のおかゆを吸い取るように、キスするみずき… (…自分だけだと、思っていたのに…) こうして触れているのが… 「え?…っン、…」 突然のみずきからのくちづけに少し驚いたような声を出すアキラだが、すぐ受け入れてくれる… 優しいキスを… 柔らかく、かすめるようなKissから深く熱いKISSへ… 優しく時が流れていく…。 (アキラを…他の奴には死んでも渡したくない…) 何度か口づけを繰り返したあと…そっと離れるみずき…。 優しい瞳が映る… 「もぅ、風邪、うつっても知らねーぜ」 そう、からかうように伝えてくるアキラ。 「いいよ、アキラのカゼなら…」 みずきも微笑み返す。 「バカ…」 呆れ笑いのように笑って呟く…。 (バカだって何だっていい、アキラを守ってやれれば…それでいいのに、気付くのが遅いんだ、俺は…) 心の内で苦く思いながら… 優しくアキラの髪に触れる。 「…愛しているよ、アキラ…」 そう囁いてしまう…。 「ぶ、なに?急に…」 軽く吹き出すような仕種で笑うアキラ… 「言ってみたくなっただけ…」 優しくアキラを抱き寄せる。 「ふふ、…オレも好き…」 愛してるとは言えないけど…。 みずきの髪に触れ頬にキスをひとつ落とし囁き返すアキラ…。 今日、裏切ってしまうのが分かっているから、胸が苦しく痛むけれど… 今は、この温かさに甘えていよう… 少しの間だとしても、まっすぐに、自分を愛してくれた人だから… 優しさをかみしめて…。 お粥を半分ほど食べて終わり薬を飲むアキラ… みずきは食器を片付けている。 アキラは、重い身体を起こして、トイレへ向かう… 「…アキラ?」 起きて来たので、どうしたのかと聞くみずき。

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