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第44話

「うん、トイレ、行ってくる…」 ぽそっと答えるアキラ… 「あぁ、そうか…大丈夫か?」 「うん、だいぶいい…」 「そうか、良かった…」 アキラはみずきの返事を聞いてトイレへ向かう。 しばらくして戻ってきて… 食器を片付けるみずきの元へ寄って行く… 「ん?あ、寝ていろよ、すぐ終わるから…」 アキラを見て優しく言うみずき。 「大丈夫、今日はサンキューな…仕事休んでまで…苦しい時、傍に人がいるのって、イイよな…」 アキラは、後ろからみずきの腰に腕をまわし柔らかく身体を寄せながらお礼の言葉を囁く… 「…あぁ、アキラ」 そんなアキラに、心の内でドキドキしてしまうみずきだが… 「ふふ…」 アキラは、小さく笑ってさっと離れ、ソファへ座っている。 そこへみずきが片付けを素早く終わらせて戻ってくる。 アキラの隣へ座り、抱き寄せるようにアキラの片手に触れる… 柔らかく細い指先…。 守らなくてはならない、大切な存在… それを想い囁く… 「…アキラ、俺はアキラがすべてだから、アキラの為になら何でもできる…」 みずきの言葉を聞いてアキラは… 「……言うなよ、そんなこと…」 微笑みを消して言う。 「どうして?」 みずきも聞く… 「オレは、そんな…たいしたこと言ってもらえるような人間じゃない…みずきの好きなものの内のひとつでいい…」 なくなっても…代わりがあるもの。 オレは…汚れた人間だから… ウソをつくのも平気で、わがままで… 誰とでも…キスできて、SEXできて…平然としてる… 忘れて、無かったことにしようとする。 事実なのに…。 そんなオレを…すべてだと言ってくれるみずきは… オレには勿体ない…

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