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第47話
「…だから、もう休んでいいんだ…もうアキラひとりで強くいる必要はない…足りない所は俺が支えるから…一人で抱え込んだりしないでほしいんだ…」
アキラの肩を抱き寄せて…心から願うみずき。
「……」
視線をそらし…
やはり無言で頭を横に振る。
「…アキラ」
みずきはそんなアキラを心配して名前を呼ぶが…
「…出来たら、苦労しないよ…」
ぽつりと呟いて…
落としていた視線を戻し、みずきに微笑みかけ、軽くキスをする。
「アキラ…」
名前を呼ぶことしか出来ないみずき…
「写真見よ」
アキラは何もなかったように笑い促してくる。
「…あぁ」
複雑な心情になるみずきだが…
これ以上はなにも伝えることはできなかった…
その後、アキラとたわいない話しをしながら写真を見る。
「サンキュ、見せてくれて…」
みずきの小学三年生くらいまでの記録写真を見て終わり、笑顔で礼を言うアキラ。
「いや、こんなものでよければ…」
アルバムを片付けに行きながら…答えるみずき。
戻ってきてアキラの額に手を当ててみる。
「アキラ、熱上がったんじゃないか?」
笑顔に力がないアキラ… 心配するが…
「べつに平気だけど、」
相変わらず軽く返事する。
「測ってみよう」
平気平気というアキラの言葉では本当が解らないので、検温魔になりつつあるみずき。
アキラの体調が気になってしかたないのだ…
「やはり、38.8分、少し上がったな…」
みずきが心配を重ね言うと…
「大丈夫だって…」
視線を遠くに投げて、どうってことないからと強がってみるアキラだが…
「アキラ、9度ちかくもあるのに…休んでいないとだめだ」
優しく叱りながら、手をさしのべる…
「……ウン、分かったよ。じゃ…少しだけ休んどく…」
真剣なみずきの瞳に負けて素直に頷くアキラ。
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