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第56話

「ッ…」 抵抗するみずきだが、タツに殴られたダメージはかなりのもので思うように身体が動かない… みずきは俯せに床へ転がされ動かないようにカイがみずきの上に馬乗りになり押さえ付ける。 「ッ!アキラッ」 身動きとれず、叫ぶみずきだが… 「抵抗しても無駄、サクヤ…昨日はよくも無駄足踏ませてくれたな、一体どこへ行ってたんだ?」 タツは、みずきのことなどまるで無視、アキラへ近づいて話す。 「……ッ」 アキラはタツをキッと睨みつける。 「ふん、いつまでその目つきでいられるか…楽しみだゼ」 嘲笑うように言い… アキラの顎を持ちあげ、強引に唇を奪うタツ。 「ッ、アキラッ!止めろックソ!」 そんな光景を見せ付けられ… みずきの心は怒りに震える。 なにより、タツの行為からアキラを守りきれない自分自身に憤りを感じて… みずきは拘束された手足に力を込めて外そうと必死になる。 しかし頑丈に巻かれている紐は簡単には外れない… そうしている間にもアキラはタツに… 「今日は、どういう撮りがいいだろうな、サクヤ…」 みずきの事などお構いなしでアキラに絡む。 アキラは、決して屈しはしないが、撮影されることは諦めている様子で… 「…場所、変えて…」 「あ?」 かすれた声で、ぽそっと言うアキラ。 「ここは…ユウの家だ、ユウは関係ない…オレを連れていけよ、BOUSでもどこでもいいから…」 ここに居たら確実にみずきを巻き込んでしまう。 みずきを傷つけたくないから… みずきには撮影の光景を見せたくなかった… 冷静な口調でタツに言うアキラ。 しかし… 「はッ!あいにく…二回目もココで撮るように言われてんだよ!何も出来ずに転がってる奴の顔を撮るのもまた一興、なぁユウ?」 アキラの上着を乱暴に剥ぎながら、悔しさに震えるみずきへ嫌みに笑ってみせるタツ。 「ッ…く、そッ!」 手首に巻かれた紐をムリヤリ外そうとしたため、赤く擦れて傷になっている。

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