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第65話
みずきを眠らせる為に…
その指に力を込める。
パスッ!
軽い弾けたような音と共に、高電流がみずきの身体を直撃し…
身体をビクッとさせ…
「ぅ゛ッ」
みずきはくぐもった声と共に、その場へ倒れ込む…
タツの思惑どおり…
みずきは一瞬で気を失っていた…
タツは直ぐ様、アキラからスタンガンを取り上げる。
「ふん!これで静かになったなぁサクヤ」
「ッ…」
アキラはうつむいたまま…
自由になった片手で、崩れ落ちたみずきの首筋に触れ脈を確かめる。
みずきの心拍は…
多少早かったが…規則正しく脈打っていた…。
(…ごめん)
人を傷つけることを…
なにかの余興のように楽しむタツを許せない…
しかし、その横暴なやり方に…
何も対抗する手段さえない自分が、本当に悔しくて…
瞳の奥が熱くなる…
(みずき…)
オレは…自分に好意を抱いてくれるひとを、何回…傷つけたら、気が済むのだろう…
瞬きとともに落ちる涙の雫…
うつむいたまま思い…
みずきの頬に触れるアキラ…
「オイオイ、人の心配してる場合か?」
無理矢理そのアキラの手を引っ張って、抱き寄せるタツ。
「ッ…」
「ほぅ、ようやく泣いたか…ケン、アップで撮っとけよッ!」
アキラの潤んだ瞳を見て嬉しそうにニヤっと笑い、撮影担当の奴にそう命令する。
「くっ…」
顔を背けるアキラだが、タツに両手を拘束され、涙を拭うことすら許されない…
頬に残る一筋の涙を、タツは舐めるようにキスをして、なくす…
「…っ」
タツに触れられるとゾッとするほど嫌悪感が湧くアキラ…
「さぁ、これからが本番だ…楽しもうぜ」
タツは構わず、乱暴にアキラの服を剥ぎ、自分も脱いでいく…
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