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第87話

「寒いか?」 「…ウン」 みずきの問いに短く頷く… 「ここへ横になるんだ、布団を掛けるから…」 みずきはアキラを促し… 座っている自分の腿の上にアキラの頭をのせるカタチでソファ上に横にさせ休ませる。 横になったアキラに寒くないよう、毛布と布団を掛けてやる。 その様子を看るみずき。 アキラは横になると深く息をつき、瞳を閉じる。 顔色は当然悪い… か細いが苦しそうな呼吸を繰り返すその表情… 静かに眠りついてしまうアキラを看ていると… やはり不安で… 「アキラ…」 囁くように呼んでしまう。 「……」 昏睡しているのか… ぴくりとも反応がないアキラ。 ぐったりとして…異常な程、熱もあるし、このまま目を醒まさなくなるのでは…と不安で恐怖すら感じてしまうみずき。 それでも触れていることで、アキラの熱を感じることができて…少しだけでも気が紛れる。 苦しそうなアキラを見守りながら… そのまま時間が流れ、みずきもいつしか眠りに入る。 昨日の今日でみずきも寝不足ぎみで… 熟睡してしまう…。 朝方になって、アキラの方が先に目を覚ます… 「……」 身体は昨日より楽になっていると思う。 呼吸もずいぶん肺に負担なくおこなえる… 食欲はないが…喉が渇いて…。 「…ん?」 みずきの膝の上で寝てたのか…。 ふと視線を上げると、みずきがソファに座ったまま、スースーと眠っている。 きっと、疲れ過ぎたんだな… 昨日からみずきには手間かけっぱなしだったし… 起こさないように起き上がりたいアキラ… でも膝枕をしているので、どうやって起きようか…と考えていると、不意に片手がピリピリ痺れてくる。 (やば、発作がくるかも…)

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