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第112話

「ありがと…」 頷くが… でも巻き込むわけにはいかないから… 「どないしたん?」 「……」 でも優しく囁かれる言葉に…負けそうになってしまう。 けど頼ったりしたらマサキにまで迷惑をかけてしまう。 首を振って… 「オレは平気…ホント、何でもないから気にすんな」 そう作り笑いでごまかす。 まだ自分でなんとか出来るから… 自分のことは自分でしたい。 「アキラさん…」 「絵、ありがとう…大切にするから…」 そう言って立ち上がる。 「…そんなんでええんやったらなんぼでも描いたるよ」 心配だったが、深く追求することなく微笑む。 「…お前もイイ奴だよな…また、今度落ち着いたら遊ぼうな」 そう、微笑んで言ってみる。 「もちろんや、そーやな、アキラさんとなら動物園や水族館にいきたいなー」 マサキは楽しそうにアキラにいう。 「ふっオレ、トシ19だぜ…」 「そーいうの好きやろ?」 「まぁな…」 「そや、そん時はみずきさんも誘うたらええで…」 何気に言うマサキ。 「…みずきは」 やや表情を曇らせるアキラ。 「みずきさんどないかしたん?」 「ううん…」 アキラはただ首を振る。 「うーん、ま、アキラさんも元気出ししや、元気ないアキラさんは心配やからね、ほな、そろそろ帰るわ…またな」 「うん、気をつけてな。また今度」 励ましてくれるマサキを見送る。 一度、犬小屋から出て、携帯電話でルードに電話する。 『もしもし!アキラ!?何っ珍しいじゃんアキラから電話とか!』 驚きはしゃぎながら電話に出る。 「ん、ルード元気だった?」 『俺は元気元気!アキラは?どうしたの?』 アキラが電話してくることは珍しいので、何かあったのかと聞いてくる。 「オレはちょっと入院しててな」 『えっ!なんで!?大丈夫??』 電話の向こうで案の定、驚いている様子。

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