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第115話
『まぁ…悪い話じゃない、一年契約であちらさんが飽きられたらそこまでで終わることもある。金はその日払い5万以上、わしらは謝礼に1000万手に入る』
社長はアキラを説得しようと説明しはじめる。
『すべてを拘束される訳じゃない、高級マンションを用意してくれるようだしね、約束ごとを守り、時間と曜日を決めてその時間だけは彼の為に予定をあけてさえいればいい…することはその方と恋人のように過ごすだけ、BOUSの撮影なんかより楽だね』
「…それでも断ったら」
社長の思い通りにはなりたくない。
男に飼われるなんか…
絶対に嫌だ…。
『夜道には気をつけるんだね、そうそう、ユウちゃんにも注意しておいた方がいいかな…』
なおもみずきを巻き込もうとする社長。
「ッ!ユウは関係ないだろ…」
かっとなるアキラだが…
『一緒に暮らしていたということで、もう関係ないとは言わせないよ…選択肢は少ないようだね、どうするかね?』
のんびりとした口調だが内容は卑劣だ…
「…ッ、卑怯…」
『悪い話じゃない…たったの1年だがね…』
軽くいう社長だが…
「…っ」
オレにとっての1年がどれほど貴重なものか…
健康なあんたらには、わからないだろうけど…
「……」
答えられず無言になるアキラ。
『強情なコだね、サクちゃんは…最後の手段を使うことになるよ』
声色を低くして脅すトップ。
「その時はあんたらの会社も終わる時だからな…」
負けずに言い返すアキラ。
社長の言う最後の手段とは…
健次や楠病院にオレが出たBOUSの映像を送りつけ脅すというもの…
そんなことをされたら健次さんの病院経営にまで支障をきたしてしまいかねないこと…
だから絶対させられない。
『ふ…言うねぇ、しかし、今回の件、断らせるわけにはいかないからね…今、こちらがどれくらい行動を把握しているか言おう』
「…?」
『朝タクシーで小児救急へサクちゃんとユウちゃんで行った…ユウちゃんは左肩を治療してもらい帰宅した。サクちゃんはまだ病院にいる。そしてわしへ電話…』
さらさらと言う。
「なっ…」
『二人ほどね…後をつけさせているんでね、動きは筒抜け…これがどういう意味を持つかわかるだろう。サクちゃん』
「っ…」
それは…行動をいつでも起こせるという脅迫…
『…ユウちゃんは肩をケガしているからね、襲われたら…どうなるかね』
さらに脅す社長…
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