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第123話

「まあな、今はそんなことないんだろ?」 「うん、ちゃんと勉強も頑張るよ、アキラより、すげー奴になってまた告白するから!待ってな!」 ルードはそう笑顔で伝える。 「……ルード」 「アキラ、これ言ったら微妙な顔するね」 「え?」 「微笑ってるけど困ってるみたいな…」 「そう?…そうかもな、ルードに告白されたら嬉しいけど、困るから…」 「どうして?あ、みずきがいるから?」 「……うん、それだけじゃないけど…」 付き合いたくても…一緒に居たくても… 今の自分は、ルードやみんなに迷惑をかけるだけだから… 「えー?他にどんな理由があるんだよ?」 「それは内緒」 そう微笑んで誤魔化す… 「ちぇー…あ、そうそう今日午後からみずきんち行くんだけどなんか伝えることある?」 「ん?そうだな…オレは大丈夫だからお前はしっかり療養しろって言っといて」 みずきもケガ人だから… 「ふっアキラらしいな…」 「みずきも痛い目あってるからな、慰めてやって」 「オッケー!美味いもん沢山食わせて元気つけてやるよ、じゃそろそろ帰ろうかな?もう昼飯の時間だよな」 頷いて椅子から立ち上がる。 「うん、ありがと…ルード」 ルードと話せたことで、曇りがちな心の内が少し晴れたように感じられたから… 「いいって!アキラも早く退院しろよ、また俺の飯食わせてやるからな!」 ルードは、そっとアキラの頭を撫でるように触れて、手を振りながら笑顔で病室を出て行く。 「…うん、バイバイ」 アキラも手を振り返し、ルードを見送りながら思う。 ルードは本当に元気が良くて… 一緒にいると自然と楽しい雰囲気にさせてくれて… 居るだけで部屋が明るくなったように感じる。 眩しくて… 本当、太陽みたいな奴だ…。 あいつは…ひとりでも、もう大丈夫。 オレが側で支えてやらなくも… どんどん自分で先に歩いて行けるから…。 でも…みずきは…? オレが必要…?

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