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第125話

それから… さらに数日が経ち… みずきが診察を受けに来る日になった。 会いに来てもいいと言った日だ…。 病室の戸を開けていたアキラのもとに来訪者が… 「アキラ、おはよう」 アキラがまだ朝食に手をつけている頃… そっと声がかかる。 「みずき…」 久しぶりに見る顔… 変わりはなさそうだ。 「あぁ」 微笑み、頷いて近づいてくる。 「お前…、早すぎ…」 アキラは、やれやれ…と息をついて言ってみる。 まだ外来の診察もはじまっていない筈なのに… 「ようやく、アキラに会えた…俺にとっては…すごく長かった、この一週間…」 アキラが目の前にいることを、とても嬉しく思うみずき… 傍らまでいき、アキラに触れようとするが、ふと止まる。 「アキラ、触っても…?」 接触禁止されていることを、思ってわざわざ聞く… 「ふ…真面目だな…」 相変わらず真面目なみずきに微笑してしまう。 「いいのか?」 みずきは今すぐにでも抱きしめたい気持ちだったが… 「ダメ…」 返事はノー。 「アキラ…」 みずきはアキラの答えをすぐに飲み込めず… 「なぜ?…いつまで…?」 恐くて聞けなかったことを口にしてしまう。 「……」 アキラは無言で、すっと瞳を合わせる。 「いや…いい」 やはりその答えを聞くのが恐くて…首を振る。 「アキラ、身体の方は良くなったのか?」 優しく話題を変える。 「… オレは元から平気なんだって、お前の方こそ肩はいいのか?しかも寝不足のカオしてるし…」 みずきを見て指摘する。

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