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第128話

「……」 アキラは、その余韻を見送りながらひとつ溜息をつく… 「馬鹿だ…」 みずきに流されてしまった自分に、一言。 突き放さなきゃならないのに… やってることがめちゃくちゃで… きっとまた…そのせいでみずきを傷つけてしまうことになる…。 分かってる筈なのに… みずきのあの優しさに触れると… 「……」 緩く首を振る… みずきの求めるような人間にオレはなれないから… みずきとは終わりに…。 そう、心によぎる甘えた気持ちを、打ち消すように思い直すアキラだった。 そして、数十分が経ち… みずきは診察を終えて、アキラの病室に戻ってくる。 「アキラ」 再び声を掛けて病室に入っていく… 「みずき…」 「診察終わったから…」 「固定帯とれたんだな」 肩にかけて固定していたバンドが取れすっきりした様子。 「あぁ、もう殆ど治っているそうだから…」 ベッド横の椅子に座りながら答える。 「そっか、よかった」 そう微笑み言葉が零れる… 何事もなく怪我が治ったなら一安心。 そのアキラの言葉を聞いて、嬉しい気持ちになる。 今度はみずきがアキラのことを聞いてみる。 「……アキラは、昨日、持病の検査をしたんだな…」 「何で知って…」 「診察待ちをしていたら健次先生が来て話してくれたから」 「……」 「結構大変だったんだろう?検査…お疲れさま」 苦痛をともなう検査だと健次から聞いて、優しく労うみずき。 「別に…慣れてるし…」 義務的に受けてきた検査… そんなふうに言ってもらえるとは思わなかったので… アキラはツンと言い返してしまう。

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