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第130話
「……」
その仕草を見て…
無意識に、アキラの手のひらにそっと触れようとしてしまうみずきだが、途中で気付いて手を止め…
「そうか…そうだな」
噛みしめるように頷くみずき…
点滴漏れは明らかに看護師のミスだろうに…それに関しては何も言わないアキラ。
辛い検査も…痛みも…我慢して、本当にアキラは強いんだな…
「検査や治療の痕って汚いだろ…」
あざだらけの腕を見て…
アキラは、ポツリと言葉を零す。
「いや…これもアキラが頑張っているアカシだから…」
子どもの頃から医者にかかっているアキラ。
これからも、逃れられないなら…
アキラの頑張りをそばで認めてあげたい。
「汚くなんかないよ」
そう優しく伝える。
「見て引かない?」
「ひいたりしない…本当に大変な検査なんだな…教えてくれてありがとう…やはり聞かないままだど、アキラの頑張りを知らないままになるところだったから…」
「別に、知らなくていいだろ?こんなこと…」
「いや、知りたい…」
すぐ答えるみずきに…
「……?」
なんで?と首をかしげてしまう。
「大好きなアキラのことなら何でも…」
知りたい。
優しく見つめ…純粋な気持ちをそのまま伝える…
「馬鹿…」
ホントに、馬鹿だよ…
大好きと言ってくれるお前の目の前で…
オレはお前に嫌われる方法を考えてるっていうのに…
どんなに頑張っても…言う通りにしても…
オレとの未来なんかない…
頑張るだけ無駄なのに…
みずきの懸命さを感じるほど…
胸が苦しくなって…
堪らず俯いてしまう。
「アキラ?どうした?…どこかしんどいのか?」
その様子を見て慌てる。
「ううん…なんでもない」
ゆるり首を横に振って…
「アキラ?」
「ふふ、お前が恥ずかしいセリフ連発するから…笑えてきただけ…」
無理やり笑顔に変える。
「えっ…?」
「ううん…嘘。ありがと…みずきの気持ちは分かってる…けど、」
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