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第131話

「……?」 微妙なところで溜めるアキラ…何を言われるのか不安になる… 「あんま、オレの為に頑張らなくていいから…」 みずきが、頑張るだけ…別れるとき辛くなるから… 「アキラ…」 その言葉に隠された深い意味までは読み取れないみずき。 とりあえず、別れたいという言葉ではなかったので安心する。 「…お前今日は1日いるつもり?」 その話題から離れるため、違う質問をする。 「え?あ、あぁ、そのつもりだが…」 「午前中で帰ってもいいよ、ここにいてもすることないだろ」 みずきといる時間を減らすため…帰宅を勧める。 「いや、家に帰っても何もないし…」 みずきは久々に会えたアキラと一緒に過ごしたいのだが… 「でも、昼飯とかどうするんだ?」 「ここの売店か、食堂で食べるつもりだが…」 「ん…でも一回帰ったらいいよ、オレのノートパソコンも取って来てほしいし…」 「そうか、なら取りに行くよ」 用事があるなら…と頷くみずき。 「うん、お前朝早かったんだから家で少し休んで来いよ」 「いや…」 「オレも午後から検査あるし、夕方にまた来たらいいから」 「また検査?」 「うん、昨日とは違う種類のな…、検査後はしんどいし…少し休みたいから…」 「そうか…」 「だからお前はいったん帰って休んで、家の用事とか済ませてから来いよ」 みずきの久々の休みなんだから…オレのところだけで時間を潰すのはもったいない。 「……分かった、アキラも検査頑張って…」 本当はすぐに戻って来たかったが…アキラの負担にはなりたくない。 そう思って頷く。 「うん…」 「アキラ、他に何か必要なものはないか?」 家に帰るついでに持って来れるものがないか聞いてみる。 「特には…学校のカバンと制服くらいかな」 アキラ専用の病室なので、一通りの着替えなどはあらかじめ置いてあるから… 首を傾げながら答える。 「…学校は?」 「もう卒業式くらいだから…」 「卒業式…いつだ?」 「ん?3月1日だけど?」 「その、俺も卒業式に行っても、いいか?」 「え…?」 思わぬ言葉に聞き返してしまう。

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