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《卒業》
それから数日の時が過ぎ…。
今日は3月1日…
アキラの卒業式がある日…。
アキラは今も健次の病院に入院しているが…
卒業式に病院から登校している。
みずきも自宅アパートからバイクでアキラの高校に行ってみることにする。
式は参加するなと言われたけれど…卒業式後に会ってくれるから…
アキラの卒業祝いを何にするか…
しばらく買うものを悩んでいたみずきだが…
あまり物を欲しがらないアキラ…
何が喜ぶのかなかなか決まらず…
アキラが喜ぶことを考え抜いて…、物ではなく、テーマパークに連れて行くことをサプライズでプレゼントしようと決めた。
卒業式後に誘ってみるつもりだ…。
式の終了時刻を聞いていなかったので朝から学校へ向かうみずき。
みずき宅から歩いて10分ほどの場所にあるアキラの通う高校。
あっという間に到着し…
バイクを駐車場に置いて…
とりあえず校門の方に歩いて行ってみる。
待つ間、怪しまれないように、服装はヨシにスーツを借りて、それなりにきちんとした格好をしてきたみずき。
卒業生の親たちか、何人か周りを歩いている。
校門前まで行くと…
「おはようございます、父兄の方はこちらからどうぞ」
いきなり誘導係の生徒に声をかけられ…
「えっ、俺は…」
「はい、どうぞ!」
有無を言わせず連れて行かれてしまう…。
口下手なみずき…上手く説明できないまま、父兄の流れにも逆らえず誘導され…
「さ、どうぞ…体育館へはこちらから」
断る間もなく体育館前に…
「……」
動揺しているうちに…
「おめでとうございます、卒業生は何組ですか?」
受付の係りの生徒が笑顔で挨拶して、クラスを聞いてくる。
「あ、…A組…」
アキラは3年A組。
「はい、卒業生の名前の横に、お名前と続柄を記入してください」
クラス名簿が載った受付表を渡してくる。
反射的に返事をして受け取るが…
「あ、はい…って」
ぞ、続柄?
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