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第136話

しばらくして、クラスは解散したのかざわめき出す。 そこに1番に出てきたのは… 楠木アキラ。 「あ、アキラ…!」 みずきはすぐアキラのもとに行く… 「みずき…お前、なんで式に…」 アキラは帰るため歩き始めながら… みずきが、卒業式に参加していたことを聞く。 「持つよ、…それが、出るつもりはなかったんだが…学校の前で待っているつもりが、誘導係の生徒に体育館まで連れて行かれて…」 アキラの荷物を持ってやりながら苦笑いする。 「サンキュ、…それで参加してたのかよ…ばかだな」 みずきらしいといえばみずきらしい答えに少し笑ってしまう。 「すまない…けれど、参加して良かったよ」 素直に謝りながらも自分の気持ちを伝える。 「ん?なんで?」 「高校の卒業式なんて初めてだったし、アキラの卒業式を観れて記憶に残せて良かった」 可愛らしく首を傾げるアキラにどきっとしながら…微笑み答える。 「……」 「ちゃんと卒業して、アキラはすごいな」 「別に…それなりに通ってれば高校は卒業できるし…」 そんなアキラに… 足を止め、言葉を伝える。 「…3年間、お疲れ様。卒業おめでとう。アキラ…」 アキラの頬に触れようとして、触れる直前手を止めながら… 優しく囁く… 触れない約束を守って… そう純粋に言葉をくれるみずき。 その心に流されそうになるアキラだが… 「……ありがと」 嬉しい素振りをみせないよう口を尖らせてお礼だけ言う。 やや俯いて照れ隠しのようにツンと答えるアキラがなんともいえないくらい可愛い… 抱きしめたくなる気持ちを必死に抑える。 まだ接触禁止が、解けていないから… 手を握ることすら出来ないけれど… 言葉で祝うことはできるから… 「あぁ、帰ろうか」 再び歩き出しながらアキラを促す。 「ん…」

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