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第137話
「っていうか、そのスーツどうしたんだ?」
みずきは珍しく、ビシッとしたスーツ姿…
「あぁ、ヨシに貸してもらった…変か?」
「…うーん、いつもと雰囲気が違って…」
そう首を傾げながら溜めて…
「……」
ドキドキしながらアキラの評価を待つみずき…
「まあまあカッコイイ」
「えっ…」
アキラの言葉にドキっとしてしまう。
「馬子にも衣装ってやつ?」
「孫?」
そう首を傾げるみずきに…
「いーや、面白いなやっぱみずきは…」
くすくす笑ってしまう。
けなされているのにも気づかない天然でおバカなみずきに和みながら…
「そ、そうか…」
よく分からないながらも、アキラが楽しんでくれるなら、何だっていいみずき。
「帰りはどうする?」
さりげなく伺ってみる。
「お前はバイク?」
「あぁ…アキラ、今日…病院に帰る前にウチに寄っていかないか?」
「なんで?」
「家で着替えて…卒業祝いになるか分からないけれど、連れて行きたい場所があるんだ」
「どこに?」
「前にヨシと行ったテーマパーク、2人で行こうと言いながら行けてなかっただろう…だから」
「え、連れて行ってくれるのか?」
「あぁ…2人でゆっくり楽しもうと思って…」
前に行った時はヨシに合わせて動いたから…
「…ん、行きたい」
あまりそういう場所に行く機会のないアキラ…
やはり行きたい気持ちに押されてポツリと答える。
「あぁ…家で着替えていこうか…」
返事を聞いて安心しながら優しく声かける。
「分かった、ならバイク乗せて帰って、みずきんちなら近いし…」
「あぁ、もちろん」
2人は履き物を替え、バイクが停めてある駐車場まで歩く…
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