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第141話
「みずき…」
アキラと付き合えて…
アキラと一緒に暮らすことができて…
アキラに触れることができて…
それが当たり前になっていた…
幸せだったから…
ずっと一緒にいてくれると錯覚して…
俺は…
前は、理由がなければ…
アキラに触れることすらできなかったのに…
それを思い出して…。
アキラは俺のことを対象として見てくれたことは一度もないのに…
思い上がっていた。
『お前のこと愛してるわけじゃない』
アキラの言葉はその頃の想いを、刹那に思いださせてくれたから…
「アキラが触れたくなるような存在になれるよう…努力するから」
どんなことでもアキラの言葉を真摯に受け止める。
「だから、そばにいさせて欲しい…」
俯くアキラの、顔を覗き込むよう、少しだけ顔を近づけ、瞳を重ね…そうささやく…
「…みずき」
そんなみずきに…
少し、どきっとするアキラ。
「アキラはアキラが思うようにしたらいい…」
囁くように伝えて…そっと離れる。
「……」
オレがみずきに触れない理由は…
そういうことじゃないのに…
こいつは…
「俺はアキラが楽しめるならそれでいいから…」
「……ばか」
オレなんかと居たって…
自分が傷付くだけなのに…
これまでも…これからも…
「あぁ、今日は楽しかったか?」
そんなアキラに、優しく聞くみずき。
ホント…ばかだけど…
「…ん」
短く頷くアキラ。
「良かった…また来よう」
そう優しく微笑む。
「みずき…」
隣で、邪もなく…喜びと温かさをくれるみずきを見て…
胸がきゅっと痛むアキラ…
離れたくないと…思わされそうになり…
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