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第2話

会社の入ってるビルから車で10分。 空港、主要駅、高速まで30分圏内のところにある、6LDKの超高級マンション。 テラス状の庭とサウナ、しまいに暖炉付き。 「もうマンションは買った」と言われて、何も知らずにホイホイ引っ越して呆気に取られたその日、あのスキンヘッドなんて言ったと思う? 「日本は土地が狭いからマンションも狭いな」 だって。もーね、思いっきりバカっ!って言ったよね。 しまいに狭いから下の階も買ったとか言って、同じスタイルのフロア、まるまる2階分俺たちの家になってしまった。 「家が建ったら引っ越すからな、とりあえずここは仮の住まいだ。狭いけど我慢してくれ」 大富豪は本当に意味がわからない。そりゃあ、あの別荘に比べたら狭いけどさ。 少し離れた山にある牧場の跡地に広大な家を建てているところで、そこには今、一足先に、今や100匹に増えた彼の愛犬と愛猫が暮らしている。 まぁ、自然に囲まれた生活に憧れがなかったわけじゃないし、どうなっても俺は彼にハイハイとついてくだけなんだけど。 仮の住まいでもなんでも、わざわざ日本に来てくれて、俺が一生働いても暮らせないような家に住まわせてもらってるわけで、文句もない。 何より彼とともにいられるならなんだっていい。

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