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第4話
「ハニー、おはよう」
マッパのでかい図体が現れた。
「おお……早ぇじゃん、どうした?」
いつも起こさないと起きてこないのに珍しい。今日は雪でも降るんだろうか?なんて、季節感も真逆のことを思うほどに。
「目が覚めたのさ、俺も珍しいと思ってるよ」
「自分でそう思うんじゃ世話ねぇな」
起きがけはかなり怠そうで、本当にクマのぬいぐるみみたいなんだ。それがちょっと面白い。
「さっさと服着ろよ、風邪引くぞ」
「日本では風邪はバカが引くもんなんだろ?俺はバカじゃないから大丈夫だ」
「さっさとその立派なモンしまえってんだよ」
アホ、と言うと、それは褒め言葉だな!と言って笑った。どうしてそう変なことしか覚えないのか。
とりあえず顔洗ってこい、と洗面所へ行くのを促す。頭をぶつけないように、ドアをくぐっていった。日本の住宅は狭いと彼が言うのを不思議に思ったものだけど、毎日ああして頭をぶつけないようにしているのを見ると、確かに彼の図体には狭すぎるかもしれないなと思う。
こうなったら早くパンが焼けるのを願うしかない。まだ40分近くある。
洗い物だけでも済まそうと、いつもより割り増しで洗い物に励んだ。
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