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第6話
「お前と結婚してよかった。こんなに俺のために朝から頑張ってくれるなんて、俺は世界で一番幸せものさ」
そのまま頬ずりしてくる。
「ちょ、やめろって」
食器を割ったらまずい。無理やり流し台から離れると、余計に強く抱きしめられた。
「やーめーろー、おい、こら」
顎を肩に置きながら、腹を撫でてくる。しまいに服の裾から手を突っ込んで、直に体に触れてくる。
まずい。完全にサカりやがった。朝からは勘弁してほしい。
「遅刻すんぞ!」
免罪符を突きつけても、奴の手は止まらない。
「まだパンも焼けないんだろ? 大丈夫さ」
言いながら、首筋にキスを落としてくる。背筋がゾクゾクしてしまう自分が憎い。
「すぐ焼けるから…っ」
「まだまだじゃないか、少しイチャつく時間はあるだろ」
「俺は今パン屋やってて忙しいのっ」
まだ焼けないオーブンにすらイライラしてくる。
片手はTシャツを裾から這い上がり、もう片手はパンツから直に触れてきた。
「あっ」
体が跳ね上がる。柔らかいまんまの下半身を、大きな手が包み込んだ。
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