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第9話

「もお、ずりぃぞ」 恨みがましく言う。もちろん彼には堪えていない。 「ずるくないさ、お前がキュートすぎるのがずるい」 「キュートじゃねぇって、もうオッサンだ」 「俺より若いだろ、それだけでも可愛いよ」 本当に楽しそうにしている。 そうしていつも楽しげにしている彼に、どれだけ救われていることか。 男同士で結婚することになって、自由業の俺ですら少し仕事が減ったって言うのに、彼の方なんかかなりのダメージだったに違いない。 引越しも移転もあったし、慣れない土地で暮らすだけでも大変だろう。 それでも彼は俺のそばで、いつも笑ってくれていた。 俺がマスコミに追われそうになったときだって、毅然として守ってくれた。 彼が喜ぶなら、俺はどんなことだってしてやりたいと思っている。 ……だからって、朝からこんなことされるのは全然本意じゃないけどな! 「挨拶遅れたな、おはよう、俺の親友」 そう言って俺の下半身に頬ずりしてくる。 「親友なら、もすこし優しく、して」 もうパンパンに張って、見事に成長している。 「苦しいか?」 つるりと撫でる。 「遅刻したら大変だからな、そろそろ1つになろうか」

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