11 / 17
第11話
「手短にすませる」
ちらりと時計を見た彼が、規則的に腰を揺らした。
夜のベッドみたいに潤沢な時間があるわけじゃない、俺もパンの行方が気になるところだ。
「わかった、俺も早めにイくようにがんばる」
謎の決意表明をして、再び彼にしがみついた。
朝のセックスって夜より感度がイイらしいね。おかげでいつもより擦れる感じがしてヤバい。
「はぁっ、あ、あん」
腰を揺らすことも出来なくて、彼が突き上げてくる感触に耐える。俺の気持ちいい場所を知ってて、ピンポイントで突いてくるから堪らない。
「やっ、だ、あ」
声を出すので精一杯。彼が出入りするのを、固定されたような体勢でただ受け入れる。
背筋がゾクゾクしてくる。遅刻という切迫したシチュエーションに興奮してるのもある。
喘ぎ声が英語じゃないのが彼には少し不満らしいが、そのくらいは勘弁してほしいと思う。夢中になってるのには変わりないんだから。
「っ、う」
座るような体勢のせいか、抉られるような衝撃がいつもより強く感じられる。少し息苦しい。
彼の耳元に直に苦しいと囁くが、彼はキスを返すだけで、体勢を変えようとはしなかった。
ともだちにシェアしよう!