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第11話

「手短にすませる」 ちらりと時計を見た彼が、規則的に腰を揺らした。 夜のベッドみたいに潤沢な時間があるわけじゃない、俺もパンの行方が気になるところだ。 「わかった、俺も早めにイくようにがんばる」 謎の決意表明をして、再び彼にしがみついた。 朝のセックスって夜より感度がイイらしいね。おかげでいつもより擦れる感じがしてヤバい。 「はぁっ、あ、あん」 腰を揺らすことも出来なくて、彼が突き上げてくる感触に耐える。俺の気持ちいい場所を知ってて、ピンポイントで突いてくるから堪らない。 「やっ、だ、あ」 声を出すので精一杯。彼が出入りするのを、固定されたような体勢でただ受け入れる。 背筋がゾクゾクしてくる。遅刻という切迫したシチュエーションに興奮してるのもある。 喘ぎ声が英語じゃないのが彼には少し不満らしいが、そのくらいは勘弁してほしいと思う。夢中になってるのには変わりないんだから。 「っ、う」 座るような体勢のせいか、抉られるような衝撃がいつもより強く感じられる。少し息苦しい。 彼の耳元に直に苦しいと囁くが、彼はキスを返すだけで、体勢を変えようとはしなかった。

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