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第14話
背中に爪を立てるが、彼は痛そうにも痒そうにもしない。
熱い息が首筋にかかって、また興奮してくる。
「出すぞ、出すからな」
余裕なさそうに熱い吐息ごと囁いてくるのにも、興奮を煽られる。
「うんっ……うん」
さらに縋り付くと、彼が一層深く中に入り込んで来て、腰の動きを止めた。
体の真ん中めがけて、熱が注がれる。
「っ、んん!」
この瞬間の、背筋のぞくぞくする感じがたまらない。彼が俺に夢中になってる最たる瞬間だと思うから。
熱が収まった瞬間に、彼が殊更熱い息を吐いた。
「はぁ……ハニー……大丈夫か?」
密着してるから、心臓の鼓動もしっかり感じられる。
俺の心臓も馬鹿みたいに動いてて、息を整えるのも楽じゃない。
「だいじょぶ、うん……」
何度かキスを交わして、ゆっくり俺の中から引き抜かれる。名残惜しいけど仕方ない。
「今夜また、ゆっくり愛し合おう」
抱きしめたまま囁かれて、なんかおかしくなって笑っちゃった。
「バーカ」
予約いれられちゃったから、今日もきっちり仕事して、きっちり定時に帰って来ますかね。
どっちにしろ、仕事中もずっと彼と一緒なんだけどさ。
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