4 / 133

第4話

あの日から数ヶ月。 相も変わらず女の子を取っ替え引っ替えしながら過ごしていた 「ねぇ。りーくん」 「ん?」 「いい加減そこまで好きで無い子とお付き合いするの止めたら?」 「そうだぞ。お前。いい加減にしないと取り返しのつかないことになるぞ」 俺の隣には小学校からいつも一緒にいた琢磨。そして夏南がいるようになった。 琢磨は昔からお人好しで面倒見も良くて良く気が利いてとても性格もよかった 身長は俺と同じくらい。黒髪の短髪でメガネ。 実は彼は一世を風靡した元人気子役で見た目は勿論良い。 結構な人が寄ってくるがこれまで浮いた話は一度も入って来たことはない。 俺が太陽の王子様と呼ばれているのなら琢磨は月の王子様だと呼ばれる。 琢磨は感情をあまり表には出さない。 いつも静かに笑みを浮かべ慈愛に満ち溢れる表情で回りに接する。 その姿がとても神秘的に見えるようでいつしか高貴な人というレッテルが貼られた 二人で写っている写真や動画が出回っていることも知ってるけれど特に害はないのでそのままにしていた。 実は俺の初恋は琢磨だと思う。 テレビに映る琢磨に釘付けになった後実物を目にしたときのあの感情は今でも忘れていない。 でも琢磨と仲良くなるにつれ恋情はいつしか友情へと変化していった。 絶対に失いたくない相手になった。 抱きたいとか抱かれたいとかそんなこと思わなくなった。 「璃人」 「ん?」 「いや…何でもねぇ…」 「そう?」 この少し前から琢磨の想いが少しずつ変化していることに俺は気付いていなかった。

ともだちにシェアしよう!