18 / 133

第18話

琢磨に話したことをそのまま伝える。 顔を見るのが怖い… これまで本気で好きでもなかったのに付き合ってやることやって別れるなんて…最低なことだから 「…俺のことは…本当に好きなんだよね?」 「当然でしょ?だから嫌われたくなくて…変に臆病になって…手も握れなかった…付き合う前だったらノリで出来てたことも…本当に好きになったら…恋人になったら…できなくて。抱き締めることも出来なくて…」 「手…握ってくれる?」 恐る恐る手に触れる。思ったより角ばった男の子の手… これが夏南の感触… 「やっと…握ってくれた…」 幸せそうに笑う夏南にキュンと胸を鷲掴みにされたよう 「嬉しいなぁ…ねぇ…抱き締めてくれる?」 夏南に誘導され抱き締める。 夏南の匂いを目一杯吸い込む 「夏南…大好き…俺を選んでくれてありがとう…」 柄にもなく涙が溢れた 「りーくん?泣いてるの?やっぱり嫌?」 「違う…幸せすぎて…」 チュッ… え?何がおきた?夏南が…夏南から俺の頬にキスしてくれた。 真っ赤になった顔を俺の胸に埋める…耳まで真っ赤で堪らなく愛おしい… 「夏南…夏南…」 「今…見ないで…恥ずかしいから…」 可愛い… 「俺も…キス…したい…」 夏南の顎を掬い啄むようなキスを送ると更に真っ赤に染まる 「もっと…していい?」 頷くのを確認して何度も何度も繰り返した。 キスだけでこんなにも満たされる… 「あぁ…もう…好き…」

ともだちにシェアしよう!