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第21話
夏南side
りーくんがさっきから熱い視線を送ってくる。
ふと顔をあげたらにやにやしてるりーくん。
何度か呼ぶけど自分の世界に入ってて届かない。
少し強めに呼ぶとにやけ顔のまま視線をこちらに向ける。だらしなく緩んだ表情のりーくん。
あまり見慣れなくて可愛いと思ってしまった
えっちのときはどんな顔をするのかな?
きっと恐ろしく綺麗なんだろうな…
何て考えてたら体が熱くなってきた…
「りーくんもそんな顔するんだね。何か貴重な感じ…何か…可愛い…」
誤魔化すようにりーくんに話しかける
「夏南に言われてもなぁ…課題終わった?」
満面の笑みでそう答えるりーくんに照れる。
ばれてないかな?よしっ…勇気を出して…
「終わったよぉ。りーくんが教えてくれたお陰。りーくん。そっち行ってもいい?」
ドキドキする胸を押さえながら問うてみた
「いいよぉ。おいで」
うわぁ…その笑顔…カッコよすぎる…
自分で言ったのに身体中から火が出てるんじゃないかって思うくらい熱い。きっと真っ赤だろうな…
でも…もう少し頑張る…
這うようにしてりーくんの隣に行きピタッとくっつきりーくんの俺より少し大きい手を握った
するすると撫でながらりーくんの肩に頭を乗せる。すると空いた手で頭を撫でてくれた
「はぁ…幸せ…こんなにもりーくんが近くに居る…嬉しい…」
嬉しい…こんなに近くに居させてくれるのがとても嬉しい。
感動に浸っていたら腕を強めに引かれさっきまでりーくんの肩にあった俺の頭はりーくんの広い胸にとじこめられていて抱き締められてるんだってわかる。
気持ちいい。りーくんの心臓ドキドキ早い。こうしてるのが俺だと思うと嬉しい
「り…くん…」
「夏南…好き…大好き…」
甘い甘い囁きが鼓膜を揺らす
「りーくん…俺も…大好きだよ」
どちらともなく唇を重ねる。
「りーくん…」
りーくんの唇。柔らかくて気持ちいい。もっと…もっと…
「りーくん…もっと…ちゅーしたい…」
「…っ…もう…」
思わず零れた俺の言葉に少し困ったようにでも嬉しそうにもう一度キスをしてくれた。
これまでとは違い俺の口内まで味わうように動くりーくんの舌に翻弄されて…気持ち良すぎてそれだけでどうにかなっちゃいそう…ねぇ…もう少し…近付きたいよ…りーくん…
「りーくん…しない…の?」
「え?…」
「えっち…しないの?」
「夏南…」
「しよ?」
うわぁ…言っちゃった…引かれちゃうかな…
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