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第27話

夏南side 「かーな!!」 「しゅんちゃん!!」 兄の春太はいつもほのぼのしてて明るくて柔らかくて優しくて… 俺は彼に禁断の恋をしていた。 春太は俺と違って何でもできてみんなの人気者だった 「かな!!どしたの?その怪我」 「…転んじゃって…」 そんなの嘘だ…春太と顔は似ているけど全く真逆の性格の俺はみんなの格好の餌食だった。 みんなは春太のことが好き。 両親や祖父母そして、近所の人、友人や教師たち… みんな春太さえいればそれでいい…俺の存在なんてあってないものだった 春太だけが俺のことを見ていてくれた… 春太だけが優しくしてくれた… それなのに俺のせいで春太は…死んだ…

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