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第58話

「起きた?ごめんね?」 「りと…さ…あ!ご飯…っ…たい…」 涙目になり焦るめのさんが可愛い…そんなめのさんにキスをして起き上がらせる。 「お腹空いた?ご飯なら俺が作ったから一緒に食べよ?ここに持ってくるね」 「え!!りとさん作れるの?」 「あれ?言ってなかったっけ?」 「…」 「あ…勿論めのさんの料理に敵うはずないから味の保証はしないよ?でも食べられなくはないはず。そんな不安そうな顔しないでよぉ…傷つく…」 「いやっ!そんな!そんなつもりでは…」 「あははっ!無理矢理にでも食べてくれる?」 「いただきます…」 真っ赤になりながら俯くめのさんにキスをして食事の準備をした。 「はい。召し上がれ」 「うわぁ…すごい…りとさん」 「そう?一応消化にいいものって思って考えてはみたけど…」 「いただきます…っ!!美味しい!」 「ほんと?良かった」 「すごーい!!すごい!!りとさん!!プロ顔負けだよぉ!」 キラキラした笑顔を浮かべながらパクパクと美味しそうに食べてくれるめのさん。…ほっぺた一杯にして…可愛すぎ…夏南と似た食べ方…でも何だかそれも懐かしい思い出で今目の前にいるめのさんの可愛さに酔いしれる 「作ったかいがあったよ。よかった」 もくもくと完食しためのさん。 「ごちそうさまでした!!」 「お粗末様でした」 「すごい!すごいねぇ!りとさん。何でも出来ちゃうんだね」 …いつも夏南に言われてた言葉…でも不思議と苦しくはなかった…ただ… 「良かった。めのさん笑ってくれた…」 「え?」 「海からずっと作ってたでしょ?笑顔を。今のは自然で可愛い」 「か…可愛くなんか…」 「可愛いよ?もうね、離したくなくなっちゃうくらい」 「…あのね…りとさん…」 「なぁに?」 「俺の話してもいい?」 「ん?無理しなくてもいいよ?」 「ううん…話す…聞いて?」 「いいよ。片付けてからにする?」 「うん」 「めのさんは休んでて?体辛いでしょ?」 「でも…」 「いいから。ね?」 頷くと横になる。それを確認して片付けた 「よっし…」 めのさんの話せなかったこと…俺には話してくれるんだ…少しは信用して貰えたのかな? 嬉しさと不安を抱え寝室に戻る。 横になってるめのさんの隣に入り抱き締める。 ゆっくりと振り返っためのさんと額を合わせキスをした 心なしかめのさんは少し震えていて俺の胸に顔を埋めて意を決したように顔をあげる 「…あのね…」

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