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第63話

夏南side 夏休みになり片時も離れずたーくんと過ごしていた…一人になるのが怖くて… 別れたあの日から三日後りーくんの家に来てた。 合鍵を返そうと…会ったら謝って…せめて友達に…そう思ってたけどりーくんは不在だった。 いついっても不在で…それが俺のせいだということは気づいてなかった… 沢山苦しめて傷付けたこと…気付いてなかった… そんなときたまたまりーくんのお姉さんに遭遇した。 一度だけ会ったことのあるお姉さん。 「あれ?琢磨?と…夏南…くん…」 「お久しぶりです」 「…そういうことねぇ…そりゃあ璃人もあぁなるかぁ…」 「璃人は…?」 「今別荘よ。相当落ち込んでて…苦しそうだった…璃人ねこんなにも好きになった人いないの。確かにあの子は節操なしな子だったけどね。夏南くんと出会って変わった。ねぇ。あの子が他の子達にも優しくしてた理由わかってる?」 「元から璃人はあーでしょ?」 「琢磨…あんた何年璃人の一番近くにいたの?璃人の何を見てたの?…璃人はね。夏南くんに嫌われたくなくてそうしてたのよ」 「え?」 「璃人言ってた。本当は夏南にだけ優しくしたい。けど夏南はみんなに優しいりーくんが好きだってどんなときもことあるごとに言ってくるからもし自分の気持ちだけで夏南にしか優しくしないってなると…嫌われてしまいそうで…怖くて…出来ない…夏南と離れたくない…ずっと側にいたい…だから…すごく嫌だけど…夏南の思う自分でありたいから…」 「そんな…」 「夏南くんもちゃんと本音を伝えなかったんでしょ?璃人は頭いいけどそういうところ疎いの。これまで本気だったことなんてないから…」 「俺…」 「でも…それで別れちゃったんならそれだけの覚悟だったんでしょ?ねぇ。琢磨」 「はい…」 「璃人の苦しみ…今ならわかる?」 「…」 「うちの可愛い弟から最愛の人を奪ったんだから…夏南くんを必ず幸せにしてよね。あんたにはその責任があるんだから。璃人はきっと夏休み中は戻らないわよ。この家には琢磨と夏南くんの思い出が多すぎるから。…璃人の傷は深い…あなたたちが別れるなんてことになったら…私が許さないよ。じゃあね」 「夏南…」 「俺の…せい…だった…それなのに…俺…」 「…」 「俺…」 「…璃人と話す?」 「…話せるわけない…自分のことしか考えてなかった…りーくんの気持ちなんて…理解しようとしてなかった…それなのに…」 「どうするの?」 「たーくん…俺にまだ利用されてくれる?」 何て最低なんだろう…結局俺は俺が一番可愛い…一人になるのはいや…りーくんと話す勇気もない…りーくんとよりを戻すなんてことも絶対に無理… じゃあ…俺はたーくんを好きになる。たーくんだけ好きになる。たーくんを愛してたーくんと生きる…

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