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第65話

「めのさん!今日は少しだけ遠出しよ!」 「え?」 「天気いいしかといってそんなに暑くないからバイクでも平気でしょ?めのさん連れていきたいとこあるんだよね」 「車出します?」 「えぇ!カッコつけさせてよぉ。」 「ふふっ…ありがと…それならお願いします」 バイクの後ろにめのさんを乗せ少しだけ遠出する。 別荘はとても静かだがここはかなり賑やかだ。 久しぶりに歩く街でめのさんとならんで歩く。 歩く度色んな人から声をかけられる。 「あの!お二人ですか?私たちも二人なんです!一緒にまわりませんか?」 「お誘い有難う。でもごめんね?二人で行かないとならないところがあって。またいつか機会があれば…ね?」 笑い掛ければ頬を染めて大人しく引き下がってくれる。とても助かる。 可愛い子達だったけど俺はもう構ってやれる余裕なんてない。期待なんてさせない 「りとさん人気者だね」 「なぁに?ヤキモチ?」 「ふふっ…そうだね」 「でもさぁ。めのさんのこと見てたよ?あの子達。めのさん自覚ある?自分が美人なの」 「あぁ。なくはないけど…これで得したことほとんどないので」 「そう?俺は早く出会いたかったなぁ。めのさんと。きっとめのさんのこと好きになってた」 「口説いてます?」 「わかる?」 「りとさんは喜ばせるの得意ですね」 「そう?喜んでくれた?んなら夏休み中に口説き落とそうっと」 「ふふっ…俺は手強いですよ」 「心してかかります」 二人で笑いあって連れてきたのは小さなカフェ。雑貨屋と併設されている。 手作りの色々なタイプの小物たちに囲まれ美味しいシフォンケーキを食べる。 「ここの美味しいんだよ。俺のお気に入り」 「うん!美味しい」 あ…可愛い…始めてみるあどけない笑顔に胸がキュッと締め付けられる気がした。 「めのさん。甘いの好きだったの?」 「うん。大好き」 「うーわぁ…何それ…可愛すぎ…」 高鳴る胸は何だろう?わからないけどこの笑顔をもう消してほしくない…

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