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第73話

でも…事を終え帰路につくと虚しさに襲われる… 結局悪循環で… でもやめられない。虚しさの中で必ず思い浮かぶのは…あの夏共に過ごし傷を癒してくれためのさんのこと… めのさん…貴方は今どんな恋をしていますか? 貴方は前を見据え進んでいますか? フランスの空を見上げながら貴方は…何を思っていますか? そんな生活をして数年。大学卒業を迎え父の会社で働くことになった。 これは昔から決まっていたことだが俺の中で思うところがあった 「親父。相談がある」 それは…俺が父の名を名乗る限り俺は社長の息子としてしか見られず回りの評価はどうしても色眼鏡で見られてしまうため己の実力は認めてもらえない。だから… 「俺は母さんの名前で仕事がしたい。」 ずっとずっとそう思ってた。父は一息つき言葉を紡ぐ 「そう言うと思ってた。お前が好きなようにしなさい」 そして、俺は社会人として…円山璃人ではなく… 「今日からこちらへ配属になった成兼 璃人です。宜しくお願いします」 新たに生まれ変わった気持ちで入社した。

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