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第74話
仕事をしている間は色んなことを考える暇もなく…
でも休みになりぽっかりと時間が空くと街へ繰り出し…
やはりやめられない悪い癖…今日もまた街でナンパを始めた…
「あれ?君一人?一緒にお茶しない?」
その日…強烈に引かれる女性に出会った。女性にしては少し高めの身長。緩く巻かれた柔らかそうな髪。長くて形のいい足を惜しげもなくさらしそこに少し高めのヒール。声を掛けずにはいられなかった。女性にここまで引かれたことがかつてあっただろうか…いや…あるわけない…
「ねぇねぇ彼女」
うわぁ…いつ時代のナンパだよ…なんて自分でも苦笑しながら彼女に声をかける。
「すいません…急いでいるので」
女性にしては決して高くはない声。耳に心地いい。
本当に嫌そうに彼女が顔を歪める。
その表情さえも綺麗で…見惚れていたら彼女が足早に立ち去った。
その後ろ姿を見えなくなるまで見送った
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