81 / 133
第81話
暫くすると美空くんの規則正しい寝息が聞こえてきた。
「よかった…眠れたね…」
美空くんの温もりはとても優しくて凄く欲しくなるけれどそんなことはしたくなくて…眠る美空くんの瞼に唇を寄せた…
「大好きだよ」
君には届かないこの言葉。今だけ…君を…
何度も願うその気持ち。届くことはない思いをぐっと噛み殺して静かに目を閉じた。
今日はゆっくり眠れそうだ…
翌朝美空くんより早めに起きて朝食の準備をする。出来たところで起こしにいくとぼんやりしてる美空くんがいた
「おはよ。ご飯出来てるからおいで」
ゆっくり体を起こしじっと俺を見つめる。そんなにみられたら照れちゃう…
リビングへ移動し朝食をとる
「おいしい…」
まだ少しだけ眠そうにふわふわとした感じでそう言う美空くんに癒される
「良かった」
食事を終えて美空くんが意を決したように顔をあげた
「あの…」
「ん?」
「俺を抱くために呼んだんじゃないんですか?」
あぁ。やっぱそう思うよねぇ…でも…抱かないよ
「そうだね。そのつもりだった。でもさ…俺も不思議なんだけど…なんか隣にいるってだけで満足しちゃった」
「やっぱ男は嫌なんじゃないですか?」
そう思ってた?残念。男も行けちゃうけどかなり我慢してるよ
「あはっ。そうなのかなぁ?」
「きっとそうですよ」
違うよ。美空くんを傷付けたくない…ただそれだけ
ともだちにシェアしよう!