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第82話
その日俺は仕事が少しあった。部署移動があって今は在宅での仕事を主としていて会社に出向くのは月に一度くらい。だから自由な時間もそれなりにある
「仕事大丈夫?」
「うん。やらないとならないことはやってるから後はちょっとした処理だけ。もう終わるから待ってて。そのあと出掛けよう」
ずっとここに閉じ込めておくのも退屈だろうから仕事を終えたらどこかへつれていくつもりだった
「はい…あ…でも俺…服…」
あ…そっか…着替え取りに行けなかったから…
「あぁ。俺の貸すよ」
「でもサイズ…」
確かに俺と美空くんの身長は20cm位の差があるし…いたずら心が芽生えて…
「じゃあ…昨日の着る?」
すると少し考えて美空くんはうつむいた…
「化粧道具持ってきてない…」
え?悩むのそこ?別に素っぴんでも行けるはずだけど…
「大丈夫大丈夫!美空くんはかわいいから」
そういうと少しムッとしたように俺を見上げる…ちっとも怖くないけど…可愛いだけ…
「…璃人さんの貸してください…」
ほぼなげやりに投げ掛けられた言葉でさえ可愛くて仕方ない…
「いいよ」
想像していた以上にサイズがでかくて可愛い…ていうか俺可愛いしか言ってない…語彙力…
「可愛い…」
でもそれしかでないから。
「可愛いとかやめてください…」
眉間にシワを寄せる美空くんに微笑んで即行で仕事を終わらせて出掛ける準備をする
「まぁまぁ。じゃいこっか」
玄関まで来て悲しそうな顔…どうした?
「あ…靴」
ヒールで車まで行ってもらって…とも考えたけど…これ幸いと思って…
「あぁ…さすがに…ヒールはきついよねぇ…なら始めは靴買いに行こうか。足のサイズ教えて」
戸惑う美空くんを車まで横抱きにして運ぶ。今だけだから触れられるのは
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