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第90話

あの日から数ヶ月。またいつもの日常。違うのは俺がその日だけの相手を探さなくなったことくらい。 久しぶりの恋をして失恋して…これまでの自分を振り返ってあまりのバカらしさにそんな気も起きなくなった 父はまだ少し元気がなくてあの日から少しでも元気を取り戻してほしくて元々趣味だった物作りを始めた。 出来たものを父にプレゼントすると思いの外喜んでくれて。 「璃人。お前さこういうの作る店でも持ったら?」 「え?」 「こんないいの作れるんだからやってみたらいいのに。俺以外の人にもこれ手にとって欲しい…あ…でも作り方教えるとかもいいかもな。お前は教えるのも得意だし。別宅は今誰も使ってないからそこを工房にして…」 勝手に話を進めていく父に呆れながらでも悪くないと思っている自分もいた。 結局暫く悩んで父の言う通り円山の仕事をしながら合間に細々と工房を設立した 始めは受注生産でインターネットで販売していたけれど多くの人たちの願いで教室も開くことになった。 多少忙しくなってあんなに好きだった彼のことを少しも考える余裕なんてなくなった。 そんなとき芙蓉さんから連絡が入る。 その後のことを話したいらしい。 工房を休んで自宅で寛いでいるとインターフォンがなった

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