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第94話

「もしもし…久しぶり…夏南」 『りーくん。元気?』 「どうしたの?珍しい」 『りーくん…俺ねたーくんと結婚することになった』 あぁ…この日が来た。 「そう。よかったね。おめでとう」 この言葉に偽りはないしもう胸は痛まない。それよりも二人がずっと寄り添い続けてくれたことがとても嬉しかった。 『あのね。式はしないんだけど…簡単なパーティーを自宅でしたくて…そこにはりーくんがいてくれないと嫌だから…これない?かな?』 「いつ?」 こっちもちゃんと祝福してあげないと… 「わかった。スケジュール調整してみるね。琢磨は?一緒にいる?」 『うん。いるよ。変わる?』 「うん」 『もしもし。璃人』 「おめでとう。そしてありがとう。俺を招待してくれて」 『璃人がいなきゃ俺たちはないから。沢山苦しめてごめん…』 「本当に…だからさ。琢磨。絶対幸せになって。夏南を離さないで。傷付けないで。何かあってももう俺は何もできないから…って前にも同じようなこと言ったね。」 『そうだな』 「ねぇ。琢磨」 『うん』 「愛してるよ」 『何それ?』 「ふふっ。お前がいてくれて俺は学生時代凄く楽しかったんだ。お前がいなきゃみんな俺には寄り付きもしなかっただろうから。夏南を好きになることはきっとなかった。お前がいてくれて良かった」 『璃人…』 「おめでとう」 『ありがとう…俺も愛してるよ』 「知ってる。んじゃね」 こうして周りの幸せを見ることが今は俺の役目なのかもしれないね。もう暫く恋愛はいいな… そろそろ二人の話がついた頃合いかな?

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