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第98話

少しだけ時は遡り… 夏南たちのパーティーから暫くたち、季節は巡りまた夏がやって来た。 俺は今も一人。気になる人ともあれ以来出会えていない。芙蓉さんと美空くんその後どうしてるかなぁ?なんてぼんやり考えてた。 あの後も色々問題が起こったと芙蓉さんに聞いたけれどすべて一緒に乗り越えてきて絆が深まったようだ 「美空くん元気かな?」 ふと呟き目線を戻すとふらふらと危なっかしく歩いている人を見つけた。気になって追いかけるとその人は…。 「あれ?美空くん」 たった今思い浮かべていた彼だった 「お久しぶりです」 「元気してた?」 「はい。」 芙蓉さんとうまくいってるのになんだか不安そうな顔をしていて気になった 「何か浮かない顔だね。芙蓉さんとなかなか会えない?」 「そうですね」 「時間が違うもんねぇ。大学生と高校生」 「ですね」 「もうすぐ芙蓉さんの誕生日だよね。プレゼント決まったの?」 「いえ…決められなくて…」 それでこんなに不安そうな顔をしてたんだね。だったら… 「うん…ならさ。うちくる?」 「え?」 「いやいや。そんな警戒しなくても何もしないよ。俺ねお店開いたの」 「え?」 「俺さ昔から物作り好きでさ趣味で色々作ってたんだけど親父がえらくそれを気に入ってさ店持たせてくれたんだよね。って言っても細々とやってるし儲かっているわけではないから円山の仕事も相変わらずやってるけど」 手作りだったら好きなものと作れるからどうかと提案してみた。

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