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第99話
久しぶりの二人の空間に少しだけ胸が高鳴った気もしたけれど多分気のせい。自ら人をここに招くことはないので緊張してるのかもしれない。
「こっちおいで。こっちの部屋にサンプル置いててそっちがアクセサリー作るとこ奥は革小物とかつくるとこだよ」
各部屋を案内して選んでもらう。だいたい他の人はネットで何を作りたいかまで予約時点で決めてくれるからわざわざ案内することはないんだけれど。
通常はネット予約のみで当日受付や飛び込みの人はお断りしてる。
「誕生日なら…やっぱりアクセサリー作る人が多いかな」
「そうなんですね」
「自分でデザイン考えるからその人だけの特別な物になるよ」
美空くんは色々悩んで結局リングを作ることにしたようだ。
「もしかすると誕生日には間に合わないかも」
不安そうにしてるけどおそらく芙蓉さんは…
「芙蓉さんのことだから気にしないと思うよ。俺がプレゼントとか言ったら喜びそう」
つい先日そういってた。なにも要らない。美空と過ごせればいいってこっちが恥ずかしくなるくらい頬を緩ませながら
「葉月先輩はそんな人じゃないですよ」
いやいや…。首にリボン巻いて俺がプレゼントですとか言ったら食いつくって…もう大喜びだって…
ふふっ…美空くんの前では相当カッコつけてるんだな…そう思うと笑みがこぼれる。可愛い若い二人の姿を考えるだけで幸せな気分になれる
「そうかなぁ?芙蓉さん美空くんのこと溺愛してるからかなり喜ぶと思うけど」
それから数回美空くんは通って一生懸命作ってた。そんなある日のこと…美空くんから友人を連れてきてもいいかと言う連絡が来た。
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