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第100話

何でも同棲している相手が最近元気がないので何かプレゼントしてあげたいと思っている子のようだ。 美空くんよりひとつ年下の男の子。 彼、さなえくんは部屋の中を緊張した面持ちで見渡していた。驚くくらい綺麗な人だった。これまで俺の周りには割と綺麗な人が多かったのだがその比ではなく本当に言葉がでないくらい綺麗な子だ。芸能人と言われても納得してしまうだろう。 美空くんがちゃんと説明していなかったのか不思議そうに問う 「結局何なんですか?」 「ここはねぇオリジナルのアクセサリーを作る工房なんだ」 「え?」 「俺さ葉月先輩と付き合ってるでしょ? 実はね先輩誕生日だったんだけど俺さプレゼント渡せてなくて。当日に間に合わなかったんだよね」 美空くんがやっと説明をはじめて少しずつ緊張も解れたようだ 「はぁ…で何で俺?」 「この間言ってたでしょ?茜くんに何かしてあげたいって」 「そうですね」 「なかなか納得できるのがないなら自分で作っちゃえばって思って」 「別に説明してもらってても来たのに…ありがとうございます」 二人で話す姿をぼんやりと見ながら頭の中で警報が鳴り響く… あ…この感情…だめだ…

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