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第106話
申し訳ないからとさなえくんはソファーで休んだ。疲れていたのだろう。すぐに寝息をたて始めたさなえくんの髪を鋤く。
このままじゃ体が辛いだろう…そう思いさなえくんを横抱きにして寝室に運びベッドへ寝かせた。
俺はベッドでは最近眠れなくて毎日ソファーで休んでるから問題はない。
円山の仕事を終わらせて休む。よく朝いつものように目覚め朝食を準備してそれが終わった頃さなえくんが起きてきた。
「あ。おはよ。ご飯出来てるよ」
「あの…俺…ベッド占領してごめんなさい!」
「ソファーだと体痛くなるかなって勝手にしちゃった。ごめんね」
「璃人さんは…体痛くない?」
「俺?平気。むしろこっちの方が寝やすい…俺ねベッドで一人で寝るの苦手なんだよね。だから具合悪いときくらいしか使わないんだ」
「そうなんですか?」
「そうそう。だから今日一緒に寝ちゃおうかな」
冗談のつもりだった。それなのに…
「はい!!」
即答で驚き…間抜けな声が出る
「え?」
「え?あ…」
「あははっ!!冗談だよ。びっくりしちゃった。即答するから。おじさん思わず手を出しちゃうかもよ。男は狼なんだから」
「いや…俺も男ですけど…ていうか璃人さんおじさんじゃないです」
「さなえくん美人だもん!全然行ける!
十代と二十代大きな差だよぉ…君らからすればおじさん」
「いやいや…」
「なぁに?」
「やっぱおじさんじゃないです。お兄さんです。かっこいいです」
「さなえくん…その顔はダメ…可愛い…」
屈託ない笑顔でそう言うから無駄にドキドキしてしまう
「君の笑顔は凶器だね…さ!食べようか。バイト何時から?」
「九時です」
「ならゆっくり食べられるね。いただきます」
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